■ CFP一発合格7つの秘訣
1.過去問を中心に勉強しよう
1番目の秘訣「過去問を中心に勉強しよう」は、最大の秘訣でもあります。
それではじっくりと見て行きましょう。
【 まず、過去問集を読むことから始めよう 】
CFP資格を取得しようと思った場合、最短距離の合格を目指したかったら、
まず一番最初にすべきことは何でしょうか?
そう聞かれたら、私は「過去問集を読む」ことだ、とキッパリ言います。
[インプット] → [処理] → [アウトプット]
常識的に考えると、インプット(勉強)した情報を処理して、アウトプット(
答案)を出すのだから、まずはインプットからしなくてはならないと思うかもし
れません。
確かにそうなんですが、そのインプットの威力を数倍に高める秘訣があります。
それはインプットより前に「過去問集を読む」という行為です。ゴールを確認し
てから走り出す人は、何も見ずに走り出す人より少ない労力でゴールにたどり着
くことができるのです。
一番最近に出た過去問集(日本FP協会から出ている「CFP資格審査試験問
題集」)1年分を買って、「問題を読む→解答・解説を読む」ということを50問
×6教科、繰り返しましょう。CFP試験を受ける人は、すでにAFPに合格す
るまでに何十時間も講義を受けたり、提案書を作ったりしているので、過去問を
読むことができるだけの最低限の知識を持っているはずです。
【過去問は、暗記するのではなく、味わうこと】
ただしここでは、決して出てきた事項を最初から丸暗記しようとしないでくだ
さい。
肩の力を抜いて「理解する」「味わう」「楽しむ」「ありのままに感じる」の
がいいです。難しかったら「難しいなぁ」とつぶやけばいいし、AFPで学んだ
知識で解ける問題があったら「CFP試験でも結構簡単な問題がある!」と膝を
打てばいいのです。
なぜ暗記してはいけないかというと、最初から暗記するのは効率が良くないか
らです。まずは理解することが一番大切です。自然な理解を積み重ねていくと、
無理に頭に押し込まなくても半分以上は記憶に残り、しかも知識の断片のみを暗
記するより長く覚えていることができるのです。
(※参照:5.理解中心の勉強をしよう)
「過去問集を味わう」ことのメリットは、3つあります。
(1)最初に試験というゴールをリアルにイメージすることで、インプット学習の
目的意識が増し、その効率は漠然とテキストを覚えようとする人の3倍以上
になる。
(2)問題→解説と追って読むと、「ちょっと考える」→「なるほどと思う」とい
うプロセスの中で、試験に必要となる基礎事項が知らず知らずのうちに頭に
入ってくるので、インプットを行う際の理解力が格段に増す。
(3)何を勉強して何を勉強しないべきか、何をじっくり学んで何に深入りしない
べきかが見えてくるので、今後ずっと効率的な勉強が行える。
過去問を見ないで知識のインプットを始めるのは、ゴールの位置を確認しない
で走り出すマラソンのようなものです。
とにかく最初は、1年分の過去問集を味わってCFP合格への距離感をつかみ、
どうすればゴールに一歩ずつ近づけるかを把握するべきです。
【ポイントとなる知識と計算ロジックを把握する】
過去問集を味わって、CFP試験がどんな感じであるかについて理屈抜きで
分かったら、あとは本番で点を取るための勉強をするだけです。
そこで、どうするかというと、ここでも過去問を利用します。教科によって
ばらつきはありますが、平均すると試験の7割以上は「過去問で出た知識で正
解を一つにしぼれる問題」「過去問で出たのと同じ計算ロジックで解ける問題」
「過去問の解法ロジックを組み合わせた問題」などなど、いわゆる「過去問の
焼き直し」です。
よって、過去問において「これを知っておけば解ける」という知識や、計算
ロジック(可処分所得の算出のすじみちなど、手順を追って計算していく過程
のこと)をまず理解することが大切です。そして、正解を出す決めてとなる部
分だけでなく、問題文や選択肢のすべてや解答についている解説もしっかりと
マスターしましょう。
具体的にこれをしていくためには、例えば同じ過去問集を2回以上マーカー
で線を引きながら読むという方法があります。
また、「整理ノート」を1冊用意して、そこに科目毎の自分に足りないと思
われる科目の必要な知識や計算ロジックを書き込んでいくという方法もありま
す。実際に私の場合は、以下のような形式でマスターしたい事項をノートに整
理していきました。
―<「整理ノート」の内容例>―――――――――――――――――――――
★退職所得控除額
0年〜20年…40万円×年数
20年〜 …70万円×年数
(例)勤続年数40年なら、40×20+70×20=2200万円
★介護費用保険の保険金支払い
180日以上の「寝たきり」「痴呆」による要介護状態
|―――――――――――→| が続いた場合
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑
支払対象期間の開始日にさかのぼって支払われる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【 試験問題の7割は過去問の焼き直し 】
試験では、100点中70点も取れれば、まず間違いなく上位3分の1に入れて合格
できます(驚くほど簡単な問題ばかり出たら話は別ですが)。
そして、前の項目中で既に述べたように、実際の試験問題の約7割は過去問の
焼き直しです。年や課目によってその割合が6割になったり、8割になったりする
のですが、この「焼き直し問題」のうち90%を確実にゲットすれば、間違いなく
合格できると思っていいでしょう。
というのは、例えば「焼き直し問題」が60点分しか出なかったとしても、その
9割を確実に取れば54点。残りの40点分の4択を勘で解けば10点くらい取れますか
ら、合計すると 54点+10点=64点 も取れるからです。難しい課目なら、この点
数で落ちことはそうありません。
過去問と同じ問題なら何が出ても解けるようにし、さらに問題や解説に書かれ
ている事項についても深く理解した上で覚えることができれば、まず合格は間違
いないと断言します。(そこまで準備できる人は上位10%の人でしょうから。私
が6課目同時合格した際の達成度もせいぜい8割程度でした)
2.質的・量的な中心領域をおさえよう
2番目の秘訣は、6課目一発合格を狙う人には特に役に立つものです。
これを心に留めておくだけで、全分野を漠然と勉強するよりもはるかに効率的
でメリハリのある学習ができます。
【質的な中心はライフプランニング】
まず、CFP試験における質的な中心といいますか、思想的な中心課目はCFP3
のライフプランニング・リタイアメントプランニングです。この科目は、様々な
ライフスタイルを持った個人が日常生活を送るなかで出てくるお金に関わる事柄
が問題になります。具体的には、住宅・教育・年金などがよく出てきます。
そこで、実際に勉強を進めていく上で何に注意していけばいいかというと、ラ
イフプランの思想(日常生活)と近い事柄は出題されやすい、ということです。
金融資産運用設計でいえば、金融商品の中でも「住宅」「教育」などが付いた商
品は抜群に出題率が高いです。不動産運用設計ではマイホームの取得や売却にか
らんだ問題は毎年出題されていますし、リスクと保険においては個人にとって身
近な保険商品が出題の中心になっています。
つまり、どの教科を勉強する場合でも個人(もしくは個人事業主)から遠くか
け離れた事柄で、過去に出題されていないことにはあまり時間を掛け過ぎないが、
今を生きている個人と強い関わりのあることには時間をたっぷりかける、という
のが効率的な勉強方法になります。
新しい金融商品が出たとしてもあまり一般的でない商品の内容までおさえる必
要はないし、保険商品にしても船舶保険や機械保険の内容まで覚える必要はあり
ません。しかし、住宅ローン控除の制度に変更があれば細部に至るまで完璧に覚
える必要があるし、各企業でリストラが進んできたら雇用保険や失業給付の詳細
について出題されることを想定しなければなりません。
【量的な中心はタックスプランニング】
次に、CFP試験における量的な中心はCFP5のタックスプランニングといえま
す。これはどういうことかと言うと、タックスプランニングの領域に関わる出題
は6教科すべてにおいて頻繁にされるということです。考えてみれば、金融商品
でも不動産でも年金でも相続でも、何かでお金が入ってくれば必ず非課税か課税
のどちらかになるのですから、よく出題されて当たり前ともいえますね。また、
税制は複雑だったり、税金の計算は面倒だったりするので、問題になりやすいと
いうこともいえます。
ですから、税金(特に個人)に関することはいくら勉強してもし過ぎというこ
とはありません。最新の税制が反映されたわかりやすい本を何冊でも買って、徹
底的に理解しておくことをおすすめします。まずは(個人の)総合課税のことや、
所得の分類など基本的な仕組みが解っていないとお話になりません。少しずつ、
確実にモノにしていきましょう。
これら質・量2つの中心領域を理解しておけば、どんな勉強に時間を掛けて、
どんな勉強にハマり過ぎないようにすべきか、見えてくることでしょう。
3.原則を押さえてから、例外や詳細をつぶしていこう
3番目の秘訣は、とにかく原則をまず押さえることです。
どの分野を学ぶときでも、まずは大きな原則や体系、一般的な特徴などを覚え
ていきましょう。自分の中に大きな木の幹をドンと据えてみる(「○○は××な
んだ」と決め付けてしまう。間違ってたらあとで修正すればよい)のは効率的な
アプローチです。
原則という木の幹を据えたら、例外や詳細という枝や葉をくっつけていく。
これは他の勉強や仕事等でも広く通用するアプローチでもありますが、ここで
は特にCFP試験に関する「原則」の具体例を取り上げてみましょう。
………………………………………………………………………………………………
【 例1.「按分する」という考え方 】
この考え方、非常に重要で、色々なところで役に立ちます。
不動産運用設計を例に挙げます。
Aさんが1億円で建築したマンションを昨年4月1日から賃貸し始めたという
場合、昨年分の減価償却費はいくらになるでしょうか。
(当該物件は耐用年数60年、定額法償却率 0.017 ……定額法を採用とする)
(答)
1億円 × 0.9 × 0.017 × 9/12 = 114万7500円
~~~~~
初年分の減価償却費を決められた方法で出した上で、それを業務の用に供した
月数で按分(具体的には、4〜12月まで9ヶ月使ったのだから9/12を掛ける)し
て答えを出しています。
この「按分する」という考え方(原則)はCFP試験の各科目でよく出てきま
す。相続税の算出の際にも出てくるし、配当所得を算出する際には株式の取得に
関わる負債利子を所有期間に応じて按分したりします。
なぜこれが原則かというと、非常に合理的で公正な考え方だからです。期間や
金額に応じてきちんと按分することで、現実と整合性の取れた数字が出ます。
この考え方は非常に重要なので、常に心に置いておきましょう。
ただし、例外もあります。退職所得控除額を出す際に、35年と3ヶ月働いたら
35.25年働いたものとしてきっちり計算するのかというと違います。この場合は
1年未満端数切り上げで36年働いたものとみなして良いのです。こういった例外
は一つ一つ覚えていきましょう。
【 例2.「実損填補」の考え方 】
通常の生命保険では「死んだらいくら」という受取保険金額が契約時点で分か
っていますが、損害保険では不慮の事故に対して「実損填補」するという考え方
で受取保険金が決まるようになっています。これは、実際に損失が生じた額を保
険金でカバーする、という意味です。
この原則を押さえておくと、損害保険は非常に理解しやすくなります。
例えば火災保険の保険金支払についても、その金額を決める基準はまず損害額
で、損害額に一定の割合を掛けたものが支払われる保険金の額になります。
保険金額
損害額× ―――――― = 支払われる保険金
時価×80%
なんか難しそうだなぁーと感じる式ですが、「損保は実損填補だから、まず損
害額が基準になっているんだな」と考えれば、闇雲に暗記するよりも頭に入れや
すくなります。
【 例3.「総合課税」という原則 】
個人の所得税では、給与所得、配当所得、不動産所得、譲渡所得、雑所得など
いろいろな所得が出てきて混乱しやすいのですが、まず原則は「総合課税」と考
えてしまいましょう(頭がスッキリするでしょう?)。
決められた1年間の所得をぜんぶまとめて、それに課税するのが基本です。
でも、様々な例外は仕方なく生じます。利子所得は20%の源泉分離課税だった
り、5年保有した土地や株式の譲渡所得は分離課税になっていたり、退職所得も
分離課税があったり……例外だらけではありますが、このような例外はすべて個
別に理解していきましょう。
………………………………………………………………………………………………
このように、まずは原則を頭に叩き込んでおけば、分からなければまず原則に
立ち返って考えることができて、問題を解く際にも無駄に迷う時間が減ります。
また、がむしゃらに何でも丸暗記するのではなくて、原則に合わないものだけ
暗記すれば済むことになるので、覚える効率はよくなります。頭のメモリ領域は、
工夫して有効に使いましょう。
4.右脳をフル活用した勉強をしよう
4番目の秘訣は、右脳の持つイメージや感情の力を活用することです。
これを実践すると、効率がよくなるだけでなく、勉強がとても楽しくなります。
【 右脳を活用する 】
人間の脳には、左脳と右脳があることはよく知られています。
左脳は言語や論理を扱い、右脳はイメージや感情を扱います。
CFP試験の勉強をするのに、左脳を使わないわけにはいきません。金融・不
動産・保険など、各領域の基本的な用語は確実にマスターする必要があります。
問題を解くにあたっては、理論問題にしても、計算問題にしても、論理的に解
答を導いていく力が求められます。
左脳を十分に活用するだけでも相当の効果は出せるでしょうが、それに加えて
右脳を使えば、左脳だけの勉強の数倍の効率と効果を得ることができます。
【 イメージを活用する 】
例えば、CFP6 相続・事業承継設計で出てくる「生前贈与加算」。
[生前贈与加算]
相続または遺贈により財産を取得したものが、その相続の開始前3年以内
に被相続人から贈与された財産が対象(課税財産額に加えられる)。
これを読んでスパッと頭に入ればいいのですが、ちょっと疲れていたりすると
頭がフリーズして何だかわからなくなり、無理に覚えてもすぐ忘れるということ
になりかねません。こういう時は、自分なりに図式化してみましょう。
―――|―――――――――――――|―――→
3年前 相続開始
↑ ↑
[同じ人が] 贈与される 相続する……→ ◆は加算対象
◆
イメージ図は、書いた本人さえ分かればどう描いても構いません。
図式化すると、文字だけでは不明瞭だったことが整理されて深く理解できるよ
うになります。それは、左脳と右脳がともに対象に向かって働きかけることで相
乗効果が生まれ、脳の潜在的な力がフルに引き出されるからです。イメージを活
用した右脳の理解能力を、上手く使っていきましょう。
また、過去に一回見ただけの光景でもずっと残っている(忘れようと思っても
なかなか忘れられない)ように、右脳の記憶能力は無限です。言葉と違って、映
像やイメージは一瞬見ただけで頭に残ります。
CFP試験に出る様々な領域の事柄を記憶するのに、まずイメージ(例えば、
定期付終身保険の図式)を頭に入れ、それからイメージに関連した用語を付けて
いくようにすると、効率よく覚えられるうえに記憶を引き出すのも容易になりま
す。
【 感情を活用する 】
また、勉強における右脳の活用法としてもう一つ、「感情を使う」という高度
なテクニックがあります。このテクニックは高度でありながら非常に簡単で、無
意識に実行している人もたくさんいると思います。コツは、「覚えたい対象につ
いて自由に考え、プラス・マイナスの感情を自由に持つ」ことです。
例えば前の「生前贈与加算」の例では、「死んだ3年も前までさかのぼって相
続税の対象にするんか。税務当局も執念深いやっちゃなぁー」と、つぶやいて
みます。(…たのしい感想です)
公的介護保険の保険料負担は40歳から、という内容を読んで「住宅ローンの負
担もあって教育費も増えて、転職もしにくくなった40歳から保険料をむしり取る
なんて、酷い制度だ!」と叫んでみたりします。(…かなり一面的な判断です)
小規模企業共済は年間で最高84万円の所得控除が受けられるというのを見て、
「所得税率20%の人なら年間16万円以上のトクか。こりゃあスゴイ」と感動して
みても構いません。(…その通りです)
上に挙げた3つの例のように、覚えたい対象に対してあれこれ考えて感情を持
っておくと、試験で細かい知識を忘れたとしてもまず「抱いている感情」(例:
公的介護保険は酷い)を思い出し、それから概要(例:転職しにくい年齢…40歳
から保険料を負担する)を思い出すことができます。
右脳のもう一つの機能である感情を使うことで、知識の定着度は格段に高まる
と言えるでしょう。
5.理解中心の勉強をしよう
5番目の秘訣は、覚える前にまず理解しようと心掛けることです。
理解すれば、そのうち6割くらいは自然と覚えてしまうものです。
【 丸暗記勉強の有効性と限界】
よく出る知識を「丸暗記」するのは直接点数につながるので、悪いことではあ
りません。特に、試験直前の勉強としては(合格の可能性を高めるのに)有効な
ものだと思います。
しかし、試験の3ヵ月も4ヵ月も前から丸暗記をするのは頭脳のエネルギー効率
がよくありません。丸暗記している時は頭が硬直して、脳の持つ潜在能力や豊か
な想像力を100%発揮するというわけには行きませんし、いくつもの知識が縦横
無尽に結びついてシナジー効果を生むということも少ないです(覚えた後で結び
つけばよいのですが)。
理解して覚えた知識は持続性がある上、応用がきいて1+1が3や4になった
りします。
しかし、丸暗記した知識は2週間も経つと儚く消えてしまいます。そのため、
知識を定着するには5回も6回もインプットを繰り返さなくてはならず、理解して
覚える場合の数倍の時間を要します。また、丸暗記した知識に応用力を持たせよ
うと思ったら、詰め込んだ知識どうしを比較してみたり、共通する原則があるか
考えたり、計算ロジックであれば分解してみる必要が生じます。こうなると理解
型の勉強と何ら変わらないわけで、最初から理解して覚えておけばよかったとい
うことになります。
【 理解中心の勉強 】
理解中心の勉強では、まずその分野の全体像をつかみ原則を押さえてから、各種
概念を様々な角度から理解していきます。面を作ってからたくさんの線を引いてい
くイメージです。その時点で多くの「点」(細かい内容)はすでに頭に入っている
のですが、仕上げに一つ一つの内容も意識して覚えれば完璧です。
これなら、ちょっと忘れた項目があっても、その多くは理解している原則や概念
をもとに思い出すことができます。また、未知の問題が出ても、理解している原則
や概念に照らし合わせて自分なりの合理的な結論を導き出すことができます
(それが正解になるとは限りませんが、試験中に意味なく迷って時間を減らすこと
が少なくなります)。
ちなみに、税金や不動産や相続や保険等を分かりやすく解説した一般書を読むこ
とは、理解中心の勉強に役立ちます。というのも一般書は、試験問題や試験用テキ
ストと違って一般の人向けに読みやすい工夫がしてあるので、面白く読むうちに色
々なことを考えたり、問題意識を持ったりするからです(頭が硬直しません)。そ
の分野に対応する自分の頭が活性化されれば、自然と理解は進んでいきます。
理想の勉強は、CFP1からCFP6までのすべてを平行して縦横無尽に理解しながら必
要事項をマスターしていくことです。こうすれば、知識どうしのシナジー効果は最
高に発揮されるので、基礎も応用もバッチリの体勢で試験に臨むことができるでし
ょう。
6.時間をうまく投資しよう
6番目の秘訣は、時間の投資に熟達することです。
試験までと、試験中の2つに分けて解説します。
【 試験までは、時間を捻出して勉強に投資する 】
CFP合格というリターンを得るためには、様々な投資が必要です。
まず、お金が必要なのは当然のことですね。過去問や一般書やテキストを買っ
たり、資格学校に通ったりするためには一定のお金が必要となります(ちなみに、
資格学校に通わなくても十分合格は可能)。
しかし、お金以上に大切なのは「時間」の投資です。
試験で合格点を取るためには、問題を解くのに必要な知識や計算スキルを習得
するために、それなりの時間をかけなければなりません。
必要な知識や計算スキルを身につける手段は色々あって、過去問の研究・CF
P試験対策講座に通う・一般書を読んで対象分野の理解を深める、などですが、
いずれも非常に意味のあることです。このようなことに十分な時間(1課目あた
り50時間勉強すれば合格可能でしょう)をかけた人が、CFP合格のリターンを
得ることができるのです。
さて、このような勉強時間をどう作り出すかですが、普段の生活に流されてい
てはなかなかできません。自らの価値観や人生観と照らし合わせて、CFP試験
の勉強よりも優先度の低いと判断できることは一時的にでもやめて、試験勉強に
充てましょう。例えば、家族を大事に思っている人は「家族とのコミュニケーシ
ョンの時間」は維持するが、「一人でテレビを見ている時間」は減らして勉強時
間を増やす、という具合です。
また、通勤電車の中、寝る直前などの、10分や15分を勉強に投資することを続
けると、大きな効果を得ることができます。
私がCFP試験の勉強をしていたときは、通勤電車で座れた場合には過去問に
出た知識を整理したノートを見直し、立つ場合には保険や税金などに関する一般
書を読んでいました。この時間が6教科同時合格の原動力になったことは言うま
でもありません。
様々な工夫をして時間を捻出し、CFP試験の勉強にしっかりと「投資」でき
るかどうかは、合否の分かれ目になります。
【 試験中は「時間の効率的な投資」を心掛ける】
あなたが(CFP試験に限らず)少々難しめの試験を受けたときに、こういう
ケースに陥った経験はないでしょうか?
難しい計算問題にハマった挙句に正解は分からず、時間がなくなって、
解けるはずの問題まで焦って間違えた (゚o゚)!
こういう悲劇を避けるため、CFP試験の1つの課目を受ける際は、まず試験
が始まる時には「自分には120分という投資元本が与えられた」と思いましょう。
あなたがするのは、『120分の時間』を『50問の問題』にうまく分散投資して、
『点数(100点満点)』というリターンを最大化することです。
(ちょっと変なたとえですが・・・)
ここで、どんな投資案件(問題)があるかと、それに対する戦略について分析
してみます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1)少ない時間で、高いリターンをあげられるもの。
(例:1分で2点とれる、過去問に頻出の常識レベル問題)
(2)適度な時間で、中くらいのリターンをあげられるもの。
(例:4選択肢中すぐ2つに絞れるが、そこから決まらない、期待値1点の問題)
(3)それなりの時間は掛かるが、高いリターンをあげられるもの。
(例:「居住用財産の買換え特例」など、毎年のように出ている計算問題で、
3〜5分も掛けてしっかり解けば確実に2点取れる問題)
(4)結構な時間を掛けても、低いリターンしか得られないもの。
(例:問題文が1〜2ページに渡ったり、相当ひねりが入っている、5分以上か
かるがまともに正解を導き出すのは10人に1人程度の計算問題)
<負け組の戦略>
ひたすら前から順番に解いていく。(1)や(3)はすんなり処理していくが、(2)
に当たると2つに絞り込んでからいつも1、2分迷ってしまう。そのうち(4)の問題
でつまづき、10分近く計算問題に悩んだ末、勘で選ぶ。
最後は残り15分で15問解く羽目になったため、焦って(3)を2問間違え、(1)も
ケアレスミスで1問落とす。
<勝ち組の戦略>
(1)と(3)は落ち着いて時間を掛けて確実に解く(その場でケアレスはないか再
度チェック)。(2)は絞ったあとは直観で1つ選んで、次へいく。ぱっと見て(4)
の問題はすぐに後回しの決断を下す。
意味なく迷う時間がないので、80分で最後まで辿り着く。
残り40分もあるので「できたら儲けもん」という気持ちでリラックスして(4)
の問題に取り組む。すると何問か解けてしまう。
さらに時間が余っているので(2)の問題を見直すと、直観で選んだ選択肢が間
違っている(合理性がない)のに気付き、答を修正できる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここまで極端な差がつくとは限りませんが、このように同じ実力(過去問で出
た概念を殆ど理解した人)の人でも、勝ち組になるのと負け組になるのでは10点
近い差がつくことがあるのは確かです。
また、最も合否を左右するのは(3)のパターンの問題ができるかどうかだと思
います。あとは、(1)でいかにケアレスミスをしないかも重要です。
(結局は時間を掛けて、過去問を丁寧につぶしている人が勝ちます。)
(4)は通常合否のポイントにはなりません。
時間を効率よく問題に投資して、確実に点数を重ねていく……一流のファイナ
ンシャルプランナーは、お金だけでなく時間についても「効率的な投資」をする
能力が求められているわけですね。
7.CFP資格取得後のビジョンや夢を描こう
7番目の秘訣は、これまでの6つを紡ぎ合わせるものです。
【 ビジョンや夢を描く 】
資格取得後のビジョンや夢を描く……これが最後の秘訣です。
ポイントは、自分がCFP資格を取ってそれを最高に活かしている、できるだ
けリアルなイメージを描くことです。
例えば、証券会社や銀行に勤務している人は、CFP認定者になって支店の個
人顧客の資産管理相談責任者になることをイメージしてみる。
CFP認定者として、雑誌に住宅ローンの活用方法についてのコメントを発表
したり、日本版401kプランに関するセミナーで講演をしている自分をイメージし
てみる。
開業したFP相談所で、お客様のローンや保険に関する不安を次々と解消して、
みんな笑顔で帰っていく姿をイメージしてみる。
などのように、現実から離れ過ぎない範囲でイメージできるビジョンや夢を持
つことは、勉強のモチベーションを大きく押し上げるのに役立ちます。
【 言葉ではなく、イメージで 】
さらにしつこく言いますが、ビジョンや夢は単なる言葉ではなくイメージ(映
像)として心に置いておくことが重要です。
というのは、例えば「FP相談所を開業する」等の言葉は狭い顕在意識にある
ものなので、勉強するときの自分の意識に影響を与えることは少ないです。
しかし「30代の女性のお客様が来て保険証券のコピーを広げて、毎月の保険料
が高いのでどれかを減らしたいと相談に来たので、適確に保険の見直しをアドバ
イスして、笑顔で帰って頂いた」というようなリアルなイメージは、広い潜在意
識にあるので、そのイメージは毎日の勉強に強烈なプラスの影響を与えます。
これは、「金銭上も、健康上もメリットがないのでタバコはやめるべき」と考
えて禁煙を試みても上手くいかなかった人が、小さな娘に「パパってタバコ臭ー
い」とイヤな顔をされただけでその「イヤな顔」のイメージが心に焼き付いてス
ッパリ禁煙できたりする原理と同じです。
資格取得後のビジョンや夢をリアルにイメージする。すると現在の勉強は夢と
直結した素晴らしく価値あるものになり、自然と効率も上がっていきます(これ
までの6つの秘訣を意欲的に実行することができる)。
これこそ、究極の秘訣と言えるでしょう。